じざかなかまの声

船越漁協の漁師

藤野 一豊さん

地魚BANKの馬淵くんは、魚のことをなんでも熱心に聞いて来てね。

なんか気が合ったちゃろうね。

いつの間にか付き合いが始まった感じやねえ。

その馬淵くんが地魚BANKで漁師のためにいろいろチャレンジするっていうけん、

俺も手伝っちゃらなと思ったんよね。

今では日本一の魚屋さんがあると聞いては東京まで行ったり、美味しい地魚料理で世界中からお客ば集めとると聞いてはスペインまで一緒に行ったり、まぁ楽しく活動しとるよ(笑)

 

漁は面白いよ。魚が取れたらお金になるし。また行こうかなってなる。

取れんかったらいっちょん面白くないよ。逆にえらい魚が取れたのに、安くしか売れんときは、がっかり来る。

そんなんが続いたら、もうやめようかなってなるね。

 

うちの4人の子どもは、俺が取った魚しか食べんとよ。いい魚は食べてみらな分からんけんね。

自分も、父ちゃん母ちゃんが取った魚を、季節季節で食べよった。秋ならカマスとか。1番うまい旬のやつ。

でも、今は、直売所を見よったら魚の質と言うより、安い魚から売れていく。

 

俺は漁師やからね。これまで目の前の海で、どんだけいい魚を取るかってことしか考えてこんかった。魚が売れれば、その後のことを考えたこともなかった。

ただ、ほんとにいい魚は、まともな価格で買ってもらいたいと思う。

自分の取った、うまいという自信のある魚より、安い値段の魚が売れていくのを見ると、そう感じるよね。

 

俺は船越の漁師の家に生まれたんよ。今、53歳やけど、昔ならじいちゃん漁師やね(笑)。俺が子どものときに、70代で船に乗りよったとは、1人くらいしかおらんかったもん。

 

子どものころに見た漁師の世界は、羽振りがいいとか全然なくて、生活のために家族みんなでやりよった感じ。

父ちゃんだけじゃなく、母ちゃんも船に乗っとった。俺は学校から帰ったら、船が港に戻ってくるまでの間に、イワシばミンチにして、養殖鯛にエサをやる仕事ばして。ついでに、寄ってきたボラを取って魚屋に売って、小遣い稼ぎもしよった。面白かったよ。

 

父ちゃんたちの船は、4トンか5トンくらいのちっちゃい船。キス漁ばしよった。当時は、魚も高こう売れよったけんね。だから、迷うことなく漁師になった。俺たちの年代は、みんなそんな感じ。どっか外に出て、違う道に行こうとか思わんかった。同級生も仲がいいし、船越は居心地が良かったっちゃろうね。

 

船に乗って漁の手伝いを始めたのは、小学6年くらいやなかったかな。母ちゃんに海に連れて行かれたんよ。夏休みとか、日曜なんかは、朝6時か5時ごろ家出て、夜8時くらいに帰って来とった。相島くらいまで行きよったよ。

 

漁は誰も教えてくれん。俺は親父とか、他の漁師のやり方を見ながら覚えた。

今はちょっと仕事を手伝ったら「給料」をもらえるみたいな感じやけど、俺たちは、手伝いで、お金はもらったことはない。家族の手伝い、人の手伝いをしながら、漁のことを教えてもらって、覚えていった。

今、糸島の鯛の水揚げは日本一よね。

鯛は、地のもんが美味しいとよ。身がプリッとしてね。沖で取れたのじゃなくて、瀬で取った鯛がいい。岩場の下辺りに、タコやカニ、エビとか、鯛の餌がいっぱいおるからね。瀬におる鯛がすごくうまい。潮の具合もあるけど、漁場に鯛が出てくる時間帯とか条件があってね。これは、経験でしかわからんよ。

ただ、岩場の漁は網が破れやすいけん、ほかの漁師は嫌がって沖に行くんよね。

 

俺は、網が破れんようするにはどうすべきかとか、いつの時間帯やったらいい魚が来るかいな、とかいろいろ考えて、瀬で漁をやるようになった。

なんでかって? そら、瀬で取った鯛は市場でも高こう売れるけんよ。沖で取った鯛より、倍くらいの値段がつくもんね。

 

昔に比べて、鯛の水揚げは増えたけど、ほかの魚の水揚げは減りようね。

キスは昔えらい取れよって、それで生活できたけど、今はダメ。やけん、みんな鯛を取り始めたんよね。

昔、秋と言えばカマスやったけど、今は売れんけん、カマス漁はなくなった。干物にせんと売れんけど、干物業者がおらんくなったけんね。

カナギもよう取れよった。カナギがおるときは、スズキとかウシノシタとか、いろいろ網に入りよった。カナギを食べた鯛とかスズキ、ヒラメとか、ほんとうまかったんよ。それがおらんくなった。どうも、水温が上がったのが理由みたいやね。

 

産卵に来るイカをかごで取るイカかご漁も、お金にならんけん、だんだんやる漁師が減ってきたね。

なぜかって準備が大変。生活のこと考えたら、準備に1か月人手を取られるよりも、その間に違う魚を取って売った方がお金になるやろ? 

やけん、今はイカかご漁をやめて、サワラを取る人が増えとう。昔、サワラは釣るのが難しかったんやけど、最近はみんなが漁の技術を上げて、取れるようになったんよ。

ちょうどイカかご漁の時期とサワラ漁の時期が同じやけんね。サワラに流れる漁師がどんどん増えとるよね。

 

俺は弟と一緒に、まだイカかご漁を続けとる。

船越は伝統的に、イカの資源を守るための漁をしとうとよ。

仕掛けに使うかごには、誘い込む穴のところにイカが卵を産み付けやすいイヌツゲって木の枝をつけとくんよね。俺たちは、漁が終わった後、イカの卵が孵化するように、そのイヌツゲを海中に投げ込んでおくんよ。

ほかの地域だと、人工芝を使って、毎年同じものを繰り返し使うやり方のところもある。それやると、産み付けられた卵は海に戻せない。年々、イカ資源が減るだけよね。

正直、イヌツゲを刈って来て、かごにくくりつける作業は、結構大変。

でも、次の年にイカが取れんかったらいかんけん、その手間はかける。

 

そのイカかごに、えらいいっぱいゴミが入るとよ。レジ袋とかペットボトルとか。港まで持って帰る。俺はゴミを取りに行ったとかって思うくらい入るね。

かごに入ったゴミば海に捨てる漁師もおる。俺は、それ見たら怒るとよ。「捨てんな!」って。漁師は海で商売しよるとにね。

 

昔いっぱい取れた魚も減ってきたし、ゴミも増えたし、地球温暖化の影響もすごく感じる。最近は毒があるガンガゼがえらい増えとう。

魚が売れんと漁師は生活できんけんね、

これからの漁師は、いろんな変化に対応していかないかんと思う。

 

馬淵くんは、そんなことも全部ひっくるめて知ろうとしようけん、信頼できるね。

姫島漁師の嫁

吉村 康子さん

(志摩の海鮮丼屋スタッフ)

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